15.0% My Dear Ice Cream Lovers

デザイナーが語る15.0%

第4回 
カップとレードルを追加しアイスの楽しみを追求

「Mac People」誌 2013年1月号「モケイ的モノ作り3-2」掲載記事 撮影/小林修士(KIND)

アイスクリームのためのブランド「15.0%」を立ち上げて3本のスプーンを制作しました。最終回の今回は、メディアや小売店、そして実際に購入してくださった方々から届いたうれしい声を受け、新しいアイテムを作った経緯についてお話しします。

手探りでリリースした「アイスクリームが溶けやすいアルミニウム製のスプーン」に思った以上の反響をいただき、生産が追いつかない状況になりました。僕と同じようにアイスを好きな人がたくさんいること、僕の提案したスプーンのかたちや機能に共感してくれる人がいることが確信できたので、さらに「15.0%」ブランドのメッセージを広げることにしました。

アイスクリームコーンの シルエットの磁器製カップ

誰もが知っている懐かしいアイスクリームコーンのかたちをそのままに、素材を磁器に置き換えてカップを作りました。持ち手の部分は滑り止めの効果も兼ねて、つや消しのざらざらとした仕上げに。アイスを載せる部分は釉薬をかけてつやを出しました。

カップの断面写真

カップの断面写真。ダブルウォールという二重構造になっていて内部に空気層があります。この層が断熱材のように働き、カップを持った手の熱が伝わりづらく、アイスクリームが溶けにくくなっています。

「15.0%」はアイスクリームを楽しく食べるためのブランドです。そこで、スプーンの次はアイスを入れる器=アイスクリームカップをデザインすることにしました。カップの形状は誰でも知っている懐かしいアイスクリームコーンのかたちで、素材は磁器製です。今度のカップは逆にアイスが溶けにくい機能を付加しました。つまり磁器を二重構造(ダブルウォール構造)にすることでカップ内部の空気層が断熱材となり、カップを持った手からの熱がアイスに伝わりにくくなるというものです。アイスクリームコーンのノスタルジックでハッピーな形状を磁器に置き換えることで、新たな機能を加えることに成功しました。磁器のデザインは初めてでしたが、型に素材を入れて焼くという作り方は本物のコーンと同じなので、大きなトラブルもなく思いどおりの形状が実現できました。

「15.0%」のアイスクリームカップ専用のレードル。

「15.0%」のアイスクリームカップ専用のレードル。すくう部分のカーブの曲率を計算し、すくったアイスの直径がカップにぴったり合うように設計しています。使ったあとの置き場所に困らないよう、逆さにして立てられるようにしました。

そして、カップと同時進行で企画したのがアイスを取り分けるためのレードルです。スプーンと同じようにアルミニウム製で、力を入れやすいように握りの部分を大きくしています。すくう部分のカーブの形状をカップのくぼみ部分と同じにし、レードルですくったアイスがぴったりカップに収まるようにしました。また、すくったあとの置き場所に困らないように、立てられるようにもしました。こうして、第1弾のスプーンの発表のちょうど1年後にカップとレードルをリリースできたわけです。  
現在は第3弾を企画中です。アイテムはまだ内緒ですが、アイスクリームを楽しむというコンセプトをさらに広げる製品にしたいと考えています。プロダクトをデザインしていていちばん楽しいのは、企画を考えている時間です。どうやったらみんなが驚き、喜んでくれるかを考えるのは、大事な人へのプレゼントを探しているときと似ています。それをなんとか仕事につなげていきたいと、日々いろんなことを考えているのです。
(文:寺田尚樹)