15.0% My Dear Ice Cream Lovers

デザイナーが語る15.0%

第3回 
ロゴとパッケージで スプーンを効果的に演出

「Mac People」誌 2013年1月号「モケイ的モノ作り3-2」掲載記事 撮影/小林修士(KIND)

2回にわたってテラダデザインのプロダクトのひとつ、「15.0%」というアイスクリームスプーンを紹介してきました。発想のきっかけや試作のプロセスに続く3回目の今回は、商品として発売する最終段階のお話です。

スプーンのデザインは3種類。アイスクリームのフレーバーを名前にしました。01の「vanilla」はいちばんオーソドックスな形。02の「chocolate」は角ばっていて、カップの角の部分もすくいやすい几帳面な人向け。03の「strawberry」は先がフォーク状になっていて、ソルベなどを掘削しやすい形です。

しかし、スプーン本体が完成しても、商品として流通させるためにはまだまだやらなければならないことがたくさんあります。重要なのは、「新発想のアイスクリームスプーンのコンセプトをいかに正確に伝えていくか」です。
まず取りかかったのが、ブランドのコンセプトを端的に示す名前を決めること。前回も少し触れましたが、「15.0%」というブランド名は、食品衛生法において「アイスクリーム」の基準として定められている、「乳固形分15.0%以上」というレギュレーションからです。ずいぶん悩みましたが、覚えやすく、かつ「おや?」と思わせるような名前にしたかったのです。「なぜこの名前なんですか?」と聞かれるような、由来に含みがあるものにしました。これは、小数点以下のゼロを表記するところがミソです。

既存のアイスクリームブランドにないような、シックなロゴを目指しました。書体もシンプルでわかりやすく、色使いもブラックのみのモノトーンにしました。デザインを手がけてくれたのは、グラフィックデザイナーの粟辻美早さんです。

次は、そのロゴデザイン。これはやはり専門家にお願いすべきです。グラフィックデザイナーの粟辻美早さんに依頼しました。子供っぽくなく大人のイメージにするために、あまりアイスには使われないモノトーンで構成することに。スプーンは、1本1本職人さんの手作業で作るため売価が高くなりそうだったので、一般的な「アイス=子供の食べ物」といったイメージとは違った、大人のアイスクリームライフを提案したかったのです。僕自身もいい大人ですし、ベッドの中で彼女とアイスを食べるーそんなシーンが演出できたらと思いました。 

店頭で、アイスクリームスプーンだとひと目でわかること。そして、大切な人や自分へのプレゼントとして成り立つようなパッケージを考えました。アイスのカップにスプーンがささっていて、ケーキ屋さんのような箱に入っています。

最後にパッケージです。誰かにあげたくなるような、プレゼントとして成立すること。そして店頭で展示しやすく、アイスクリームスプーンだとひと目でわかる外装をずっと考えていました。
最終的にアイスクリームカップにスプーンがささっているような形にし、それをケーキの箱のような取っ手付きのケースに入れることにしました。商品単価に対して外装のコストが高めになってしまいましたが、商品を自ら語ってくれるパッケージができたと自負しています。
このようにして、アイスクリームスプーンが店頭に並ぶことになりました。
(文:寺田尚樹)


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